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会いたい!でも会いたくない!魅惑の沖縄・危険生物

2017.05 10

綺麗なソレには棘がある

沖縄でのダイビング中に出会える海の生き物。その南国特有の色や形はとても魅力的です。水族館の水槽の中でしか見ることができなかったのに、今、自分の目の前にいる!それはもうワクワクして当たり前。可憐な姿に一目惚れして仲良しになりたいと近づいてしまうダイバーも。でも、その美しさの中に、とんでもない危険が隠れていることがあるのです。美しさに騙されないために「沖縄の海の危険な生き物」をしっかり学んで対処しましょう。

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ふわふわゆらゆら危険なクラゲ

幻想的な浮遊感を見せてくれる水族館の人気者はクラゲ。ライトアップされた水槽の前では、ゆったり時が流れるような気がします。ふわふわと漂う癒し系の生き物と思いきや、クラゲは刺胞動物。毒針で獲物を刺して麻痺させ食べてしまう生き物なのです。長い触手に触れると毒針が発射されるため、獲物にしては大きすぎる「人間」が相手でも、もちろんその針が撃ち込まれてしまいます。クラゲの種類にもよりますが、カツオノエボシやハブクラゲといった猛毒を持つものに襲われると、激しい痛み、炎症、吐き気、不整脈などを起こし、時には死に至ることもあります。海に入るときにはウエットスーツやラッシュガードなどで、なるべく肌の露出を避けることをお勧めします。

オコゼは命がけのかくれんぼ

ダイバーのマナーとして「着底しない」というものがあります。これは本来、岩や海底に手やひざをつかないことでサンゴ礁を守ったりする自然保護のためですが、実は単なる「マナー」ではなく、ダイバーの身を守る大切なルールでもあるのです。ひざをついた海底に上手に隠れているのが、猛毒の棘をヒレに持つオニダルマオコゼだったとしたら?これも刺されて死亡した例がある恐ろしい生物です。その他にも毒棘を持つイイジマフクロウニやオニヒトデなどにうっかり触れてしまうなど、海中写真を撮影中のアクシデントが多いので注意が必要です。

海の中にも蜂がいる?

油断しがちなのがイソギンチャクやサンゴの仲間です。これらもクラゲと同じ刺胞動物なので、触手に毒を持っています。小さなオドリカクレエビがすみついていることで、安全だと錯覚してしまうハナブサイソギンチャク科のウデナガウンバチなどは、「ウンバチ=海蜂」と、名前がその危険をあらわしていることにお気づきでしょうか。刺された時の激しい痛みや水泡、筋肉痙攣などは、まるで蜂に刺された時の症状です。

やっぱり危険なジョーズの姿も

もちろん忘れてはいけないのがサメの恐ろしさです。好きな海の生き物の上位にあがる人気のサメですが、その機能美もトップクラスなら危険度もトップクラスと言えるでしょう。海水浴客で賑わう沖縄のビーチ近くで体長1メートル55センチのオオメジロザメなど4匹が相次いで捕獲されたニュースも記憶に新しいところです。オオメジロザメは「世界三大人食いザメ」の一種なので、もし不運にも出会ってしまったら、静かにゆっくり立ち去りましょう。悠長に写真などとっていては命を落としてしまいます。

卵を守るママは狂暴

その他、フグ毒と同じテトロドトキシンを持つヒョウモンダコや、ハブの70~80倍の猛毒を持つエラブウミヘビ、死亡率の高いアンボイナガイなど、震え上がるようなプロフィールを持つ生物も多数いる中、最もダイバーに恐れられているとされるのがゴマモンガラです。50センチにもなるその巨体で近寄る者を手当たり次第に攻撃します。特に初夏から夏にかけての繁殖期には注意が必要で、貝やウニをも嚙み砕く強大な歯とアゴでダイバーに向かってくるのです。頭や耳を咬まれて何針も縫う大けがをしないよう、発見したらすみやかに離れましょう。

危険な生き物って?

その危険も含めて魅力的な沖縄の海。よく考えれば、海の中の生き物にとって危険なのは「人間」なのかもしれません。ルールを守って慎重に行動すれば、南国の海は素晴らしい「美」を見せてくれます。ダイビングは正しい知識と謙虚な心で、安全に楽しみたいものです。

 

※画像はイメージです。

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